嫁にバレたくないブログ

38歳サラリーマンの日常

牛肉(希少部位) について ~より美味しく 食べるために~

なかなか寝付けないので今回は牛肉について語ります。

長くなりそうなので心して読んで下さい。

 

以前畜産関係の仕事を約10年位していて、毎日お肉と触れ合っていました。

 

そこで身に付いたのが、用途別に美味しい部位の見分け方。

そして巷で噂になっている希少部位の曖昧さ。

希少部位はなぜ高くなるのか?の自分なりの答え。

 

牛肉の処理過程は、大まかには1頭→半頭→各部位(枝肉)→各部位(脱骨)→部分肉→小割の流れで

行われているが、小割の時点で実は【美味しい】【美味しくない】【硬い】【柔らかい】お肉が、全て希少部位となっているという事実。

式にすると

【希少部位】=【希少な】+【部位】

となり、大きな塊から脂や筋、血管、骨肌(お肉と骨がくっ付いている部分にあるザラザラな膜)などを除去して、更に部分肉の食べても大丈夫な位の薄い筋等を除去して筋肉毎に小割した物がいわゆる希少部位となる。

 


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http://www.matsuzaka-gyu.com/blog/trivia/about_beef

松阪牛の長太屋さんの画像を転用させていただいています。

 

 

大きな部位で言うと、肩ロースはf:id:knockinh:20190611174102j:image

上の写真の2つ(左下:リブ側、右上:ネック側)が一頭から約50~80kgほど取れ、そのままでも薄切りやステーキで食べれるが、更に食感や美味しさを求めて小割にしていくと半頭で数キロ~数百グラムの複数の希少部位になってしまう。

 

中には筋ばった煮込み料理に向いている部分があったり、そのままステーキや焼肉で柔らかく美味しい部分があったりと千差万別。

 

 

僕自身は、簡単に焼いたステーキや時間はかかるがローストビーフが大好きで、仕事で知っていくうちに煮込み系も好きになっていった経緯があります。

 

 

【ステーキにオススメな部位】

①若い人向けならロース系


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オールマイティーな部位。

ロース系といっても、リブロース(手前)、サーロイン(奥)とあり、更にサーロインを半分にしてサーロインと中ロースと分けたりもする。リブは肩ロース側の境目で脂が多く、サーロインはランプ(もも)側になるにつれ脂が纏まった脂ではなくなって赤身に近付いていい意味での肉感が出てくる。

ただ特に和牛などはモモや肩系と比べると、サシも多く全体的に脂が多い。

外国産は特にサーロインは脂が少なく、肉も硬いが個人的には和牛よりもローストビーフに向いている。

アメリカ産は以前BSE問題があったが、吉○家さんがどうしてもと、こだわって使い続けたと言うほど外国産の中では美味しいものが多いと思います。

ロース系はキメは比較的細かく柔らかい。中ロース・サーロインはスジが強いので、スジのところを食べるときは硬いです。スジのキツい所を除去していれば美味しく食べれる部位です。

 

リブロース
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上に脂を挟んで被っている部分が【かぶり】や【リブキャップ】(ロースにしては繊維が荒く比較的硬い)という希少部位で、かぶりを外して中心の脂が入っている一番大きな面が【ロース芯】(一番料理しやすく食べやすく美味しい為、値段は高い)、芯の左の少しだけ付いている三角形のところがバラとの繋目なので【バラ足】(スジばっていて若干固いが味が濃く美味しい)、右側の骨と隣接している【バラ山orゲタ】(スジばっているが歯ごたえがあり美味しいので個人的には大好き)と呼ばれる。

因みに分解すると全て希少部位です(笑)

 

中ロース(リブロース側)

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サーロイン(モモ側)

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サーロインは昔ヨーロッパの将軍が好んだとされていて【サー】という冠が付けられたロイン(背中のお肉)と呼ばれるようになったらしいです。

肉の面が広く表面以外はスジが入っていない。肉質も良好で柔らかくサシが入りやすいオールマイティーで非常に食べやすく美味しい万人受けする部位。

 

中ロースは表面の脂とスジが太く、少し中に入り込んでいるが、除去すればしゃぶしゃぶ、すき焼き、焼肉、ステーキ、ローストビーフ、炙りでお寿司などオールマイティーに使用出来る。

 

サーロインも中ロースとほぼ同じだが、モモ側になるにつれロース芯のところに分け目が出てくる。

分け目はスジではなく脂なのでそのまま食べても問題ないが、分け目から上の部分がお尻の部位(ランプ側)となり肉質がモモになってくる。

スーパーで買うと、モモの方が単価が安いので少し損した気分になる。

これも個人的な意見だが、実はモモの方が脂も少なく肉の味がするので好きです。

 

 

②年配の人向けならモモ系(赤身)

モモと言っても色々な部位に別れる。

外モモ(ナカニク・シキンボ・ハバキ)・内モモ(大モモ・小モモ・かぶり)・ランイチ(ランプ・イチボ)・シンタマ(カメノコ・シンシン・ヒウチ・かぶり)

こんなにもある。

上記部位も一部更に細かく分ける事が出来るが記載は控える。

ステーキならランプ・シンシンが断然旨い❗️

ランプはサーロインの横の部位で、柔らかくて牛肉の味と風味もある。

中でもラムシンは特に柔らかく牛肉を食べてる❗️って感じがして個人的に一番好き😍

 

シンシンは中心にスジが入っており柔らかい。

しかもランプとはまた違った風味があり、これもまた旨い。

中心のスジは先になるにつれ薄くなり食べても気にならない。

肉質はスジが太い部分の方がキメが細かく柔らかい。

スジはそのまま食べても意外と気にならない。

 

外モモのハバキの中に、千本スジという部位があるが、一頭から600g位しか取れず、実際ステーキで食べれるのは150~200g位の超がつくほど希少部位。

フットボールを伸ばしたような形で、スジばっかりだが、筋繊維がとにかく細かい。

スーパーでは、見た目が悪く変色も早いのでミンチになることが多い。

ステーキで食べれるところが非常に少ないが、タンにも似た食感でとにかく美味しい。

お肉屋さんで、入ったときに取り置いてもらう位しか買えず、お肉屋さん自身が値段をつけるのも迷うくらいレア部位。

良心的なお肉屋さんはスジの値段、厳しいお肉屋さんだとモモの値段を付けられる。

 

③肩ロース(クラシタ)

リブロースと繋がる部位でスジと筋肉が入り乱れている複雑な部位。ハネシタ(ザブトン)・ロース芯・その他。

ハネシタはサシが入りやすく見た目がいい。筋繊維は若干粗くステーキでは硬い時がある。

和牛は硬さも気にならず美味しいが脂が多く胃もたれする。

ロース芯はサシが綺麗で細かく、まぁ言えばロースと同じ。

 

④肩(ウデ)

スジと筋肉が複雑に入り乱れている、ややこしい部位。

中でもミスジは希少部位として有名。

ミスジは中心にスジがあり断面が木の葉型で、キメが細かく風味は少ないが、とにかく柔らかく変色は早いがセレブな部位。

 

クリという部位は、赤身で適度なサシが入り、筋繊維も細かく風味もあり、太いところをステーキにすると非常に美味しい。

塩とワサビなんて最高❗️

 

ウワミスジ(上ミスジ)は、ミスジの上に布団の様にかぶっている部位。

スジが入り組んでいるが、繊維は細かく変色は早い。

個人的には大好きだが、変色が早く見た目が良くないので単体ではあまり見かけない。

カレー用や細切れになって売っている事が多いのでカレー用で見つけたときは絶対に買い。

 

⑤バラ系

バラも色々ありすぎてややこしい部位。

中でもステーキは、カイノミが美味しい。

独特の食感で、決して硬くなく柔らかい。

脂が少なく、独特なサシの入り方で味や風味もそれなりで少し高いがオススメ。

 

 

【煮込み料理系】

①すね肉

煮込み系は断然この部位❗️

スジは多いが脂が少なく、筋繊維も粗目で煮込むとスジからはゼラチン質と旨味、筋繊維はホロホロとしてしっかり繊維が残るが、柔らかくて肉の味や風味があり美味しい。

フランス料理のフォンドボーはすね肉で取る。

 

②ネック(首の肉)

僕はあまり食べたことがないが、味はわからないが恐らく硬い。

ただ想像では、首はよく使う筋肉なのでスネと同じで、硬いが味は濃そう。

原料段階を扱っていたが、物凄く固そうなイメージがあるので個人的に買うのは控える部位。

コンビーフでよく使われている部位だ。

 

【鍋系】

①肩ロース(若い人向け)

上記部位で美味しいが脂が多く胃もたれしやすい。

 

②モモ系

個人的にオススメは外モモ。

肉自体は硬いが、味が濃く風味もあり美味しい。

お肉を食べてる❗️って実感出来るアメリカ人が好きそうな部位。

和牛はサシもあり場所にもよるが結構柔らかい。

 

③肩(ウデ)

上に説明した部位で、小分けに分割せずに全て付いた状態をスライスして売っている。

肉の味や風味は強く、個人的は外モモと張るくらい美味しい。

なんと言ってもすき焼きがオススメ。

 

④ロース系

ステーキでも説明した万能な部位。

和牛は脂が多いので、しゃぶしゃぶがオススメ。

 

【焼肉】

①ロース系

ステーキと説明は同じです。

 

②モモ系

ステーキのとこで書いているランプ・シンシンは勿論だが、イチボやヒウチもオススメ。

イチボやヒウチは所謂希少部位で、サシが入りやすく見た目がいいので高い。

ヒウチは筋繊維がしっかりしていて、部位の場所によっては非常に硬い。根元の太いところを買えれば美味しい。

イチボは筋繊維がそこまで粗くなく、少しスジがあるところもあるが、全体的に柔らかくて美味しい。

 

③バラ系

焼肉はやっぱりバラ。

前述のカイノミや、他にもフランク(ササミ)・外バラ・ヘッドバラ・インサイド・三角バラ・ブリスケ(肩バラ)など。

中でも三角バラは、超高級部位で胃もたれ必死だが、サシが綺麗で食べても柔らかくて美味しい。

カイノミは食感があり凄く美味しいが、網で焼くとバラバラになりやすい。

しっかりしたカイノミを出してくれる店なら、注文必死。

 

フランク(ササミ)は、和牛以外は並といった感じで、それなりには美味しいが個人的には普通。

和牛はサシも綺麗で美味しい。

 

外バラは、当たりハズレがあり、太いところはスジさえちゃんと取ってしまえば、脂が多いが柔らかくて美味しい。

薄いところは食べれたもんじゃないくらい硬い。煮物にまわす方が懸命。

 

インサイドは、あまり食べたことが、それなりに柔らかいと思われる。

 

ヘッドバラは、三角バラを少し硬くした感じ。それなりには美味しい。

 

ブリスケは、かぶりという肉が硬すぎてやってられない。煮込んでもいけるのか不明。

かぶり以外のプレートという肉は、それなりに硬いが食べれる。ただオススメはしない。

 

【牛肉の美味しい買い方】

ロース系ステーキが特売の時の、端材処理のカレー用。

これは既にサイコロステーキに切ってくれていて、値段も半分以下で買えて、あとは焼くだけなので最高。

ステーキと同じ色合いや筋繊維の細かさ、サシの状態を見て買う。

慣れるまで難しいかも知れないが、ハズレを引く率が低く、この買い方が一番オススメ。

 

【美味しくない部位】

個人的には、内モモ。

この部位、本当に美味しくない。

筋繊維が粗く硬いし、水分も多く、味が無く、風味も薄くパサパサ。

ただサシが綺麗に入りやすく見た目がいいので騙されやすい。

大きな塊肉で、加工がしやすく店舗側からすると、非常に売りやすい、やり易い部位。

唯一美味しく食べようとするなら、ローストビーフ一点ばり。

脂や風味が少なくさっぱりしているので、牛肉の香りが付いた硬い鶏ムネ肉のようなイメージをしてもらえると分かりやり易い。

 

その他、ハラミ・ツラミや内臓系などたくさんありますが、今回はこの辺で。

 

 

長々語りましたが、読んで下さった方はありがとうございました。

この記事は個人的にこだわった内容となっているため、徐々に写真を付け加えて進化させていきたいと思います。

 

今後ともよろしくお願い致します。